2024年11月、DC3コンテンツのマーケットプレイス「mitekore」にて、イラストレーター 急行2号さん描き下ろしの限定10点のDC3コンテンツ作品「TOWA(とわ)」が販売されました。今回は、初めてDC3のデジタルコンテンツとして作品販売に挑戦した急行2号さんに、普段イラストを描かれる際に意識していることや、作品に込めた思い、さらに「mitekore」での作品販売を通じて感じたDC3の魅力についてお伺いしました。

▼急行2号様の作品販売に関するニュースリリース(*)
DC3コンテンツを取り扱う兼松グランクス株式会社のマーケットプレイス「mitekore」にて
イラストレーター「急行2号」氏の描き下ろし限定作品の抽選販売を開始
https://www.dc3solution.net/news/20241119/
*申込受付は終了しています
◆急行2号

福岡を中心にイベントや展示に出展するほか、自身の作品集を出版するなど今注目の作家。彼女が描く「同性が憧れる女性」は同世代からの安定した支持を得ている一方、情景や男性などの新たな表現にも精力的にチャレンジしている。全ての作品に共通するのは、エッジの効いた光源を用いた光と影のコントラスト、ピントの有無を活かした立体感のある描写で、特に女性が持つ美を上手く引き立たせることを得意としている。少し謎めいた、それでいてどこか優しさを感じる、いつまでも見つめていたい女性を描く。
公式X: https://x.com/kyuko2go(@kyuko2go)
公式Instagram:https://www.instagram.com/kyuko2goart/
公式YouTube:https://www.youtube.com/@kyuko2go
目次
「『 CLIP STUDIO PAINT』でイラストの制作作業を効率化しながら作品制作」
ー デジタルでイラストを描き始めたのはいつ頃からですか?
ApplePencil の登場をきっかけにiPad を購入してから、デジタルでイラストを描き始めました。
最初に使用していたアプリは、 MediBang Paint やProcreate でしたが、
仕事としてイラストを描くようになった際、大きなサイズのイラスト制作や、 CLIP STUDIO PAINT 形式での納品の必要があり、それをきっかけに CLIP STUDIO PAINT を使い始めました。
CLIP STUDIO PAINT は、ブラシの種類が豊富で、3D モデルも使っていて楽しいです。また、グラデーションマップやオートアクションなど、イラスト制作の作業を効率化できる機能もとても便利ですね。
今回「mitekore」で販売した作品も、 CLIP STUDIO PAINT を使って制作しています。
「『笑顔』と『可愛い』は両立しなくてもいい」
ー 急行2号先生の創作のテーマは「笑わなくても可愛い女の子」と伺っています
このテーマが生まれた背景を教えて下さい
「女の子」をテーマにしたグループ展に何度か出展する中で、自分が描いてきたイラストを振り返ったとき、満面の笑みを浮かべた女の子のイラストは少なかったのですが、それでもお客様から「この子可愛い」と言われることが多かったんです。一般的には「笑っている女の子が可愛い」とよく言われますが、『笑顔』と『可愛い』は両立しなくてもいいんだなと感じました。それがきっかけで、今のテーマが生まれました。

ー このテーマの作品制作にあたって、気を付けているポイントは何でしょうか?
笑顔ではない分、見方によっては冷たい印象を与えてしまうのではないかと思い、あたたかい色をメインに使用して、絵全体の印象をやわらかくするようにしていますね。光の表現にこだわり、暖色を使って絵に光がさし込んでいるような感じを出して「希望」的な印象になるようにしています。
ー たしかに、「TOWA(とわ)」を最初に拝見した時、「光によるコントラストの美しさ」を第一に感じました。「TOWA(とわ)」を制作される際に意識された点を教えて下さい
まずは、これまでテーマに掲げてきたものを崩さないこと。また、全体的に暗い印象にせず、絵を見た人が、ほっとする感情になるように意識しました。


髪の揺れや降り注ぐ光の動きが、1枚1枚異なる表現で描かれた、10枚からなる連作アート「TOWA(とわ)」
「実物を伴わないものが投機的な見方をされてしまうと、形としても残らないというもの悲しさ」
ー 「mitekore」で、デジタルの作品を販売することにした決め手は何でしたか?
デジタルコンテンツの売買と言えば、仮想通貨で取引を行う「NFT」のイメージが強くありましたが、「DC3」を導入している「mitekore」では、日本円で取引ができるということを知り、挑戦してみようという気持ちになりました。
NFTの場合はシステムの理解が難しいことや、仮想通貨での取引では、作品そのものよりも、仮想通貨の変動に注目されることが多い印象を抱いておりました。人それぞれ信念や理想は異なりますが、私自身は作品を求めてくださる方に直接届けたいという想いがあるため、NFTは自分にはあまり合わないかもしれないと感じていました。
そのため、『mitekore』のように、日本円でデジタルコンテンツを、作品を求めてくださる方へ直接届けられるプラットフォームには、大きな魅力を感じました。
ー 実は、私たちが提供するDC3のコンセプトとして、NFT(※)では、コンテンツが持つ本来の価値の提供が難しいのではないか、というのが発端にありました。一般的なNFTはコンテンツを購入した人以外からもコンテンツの中身(イラストのNFTであれば、そのイラスト自体)を見ることができますが、DC3ではコンテンツの保有者だけが見れるようにしたりと、コンテンツを楽しむ体験を最も重要に考えています
そうだったんですね。デジタルコンテンツに限らず、実物のないものが投機の対象になることはあります。NFTだから絶対に良くないとは思いませんが、本来の価値とは別のところで売買が繰り返され、最終的に誰の手にも残らなくなることに、作品を大切にしたい立場として、もの悲しさを感じています。
(※)NFT…NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)とは、「偽造・改ざん不能のデジタルデータ」であり、ブロックチェーン上で、デジタルデータに唯一性を付与して真贋性を担保する機能や、取引履歴を追跡できる機能をもつ。(経済産業省「デジタル時代の規制・制度のあり方について」第4回産業構造審議会経済産業政策新機軸部会事務局説明資料(2022年2月)より引用)
「AI学習の不安感から遠ざけてくれるのがDC3コンテンツ」
ー 今回、DC3コンテンツとして作品を販売するのは初めての取り組みとのことでしたが、デジタルコンテンツの販売にあたって、不安に感じることはありましたか?
「結局はコピーされてしまうのでは?」ということは、やはり不安に感じていました。
ー その点、DC3は「コピーと本物を見分ける真贋性がある」「保有者しか見られない」「AIクローリングに耐性がある」という特徴があり、ご活用いただけるのではと思います
非常に助かります。まだ画像生成AIの議論が続いており、衝突しやすいことでもあるので、その不安感から遠ざけてくれるのがDC3コンテンツだと思いました。
これは私の肌感覚ですが、「自分の描いた絵が勝手にAI学習の対象にされてしまうこと」に不安を感じているクリエイターさんは多いと思います。DC3はそうした不安を少しでも解消してくれるシステムを提供してくださっているので、AIクローリングに不安感のある方は、ぜひDC3を活用して「mitekore」で作品を公開していただけるといいなと思います。
「DC3が、「絵を買う」という選択肢があることを、多くの方に教えられる存在になってくれたら」
ー DC3は『デジタルコンテンツがもっと愛される世界へ』というのをビジョンに掲げています
クリエイターという視点から、今後、デジタルコンテンツについてどのようになってほしいですか?
例えば、移動が困難な方や車椅子で現地に絵を見に行けない方でも、デジタルコンテンツなら画面越しに高画質で楽しむことができるので、不便を感じずに絵を楽しんでもらえるのではないかと思います。また、海外の方でも私の絵が好きだと言ってくださる方もいらっしゃるので、その方々にも届くようになってほしいです。より多くの方が楽しめるように、デジタルコンテンツ・デジタル技術が進化していくといいなと願っています。
ー 現地に足を運ぶことが難しい方にも、作品を楽しんでいただければということですね。DC3にはオンラインギャラリーのように、自分が保有しているデジタルコンテンツを飾ることができる「マイルーム」という機能もあります

いいですね!このようなものがあったのですね。
今後、絵の前で操作をすると音声でガイダンスを流すというような機能が追加されるといいですね。展示会などのリアルな現場では「こういった過程で制作しました」と口頭で説明できるので、バーチャル空間でも同じようにできるといいのではないかと思いました。
ー 今後、「DC3」について望むことはありますか?
「DC3」には、「絵を買う」という選択肢があることを、多くの方に教えられる存在になってもらえたらと思います。
私の周囲には絵を描く方や絵に関心のある方が多いのですが、実際に「絵を買ったことがある人」はどのくらいいるんだろうと考えることがあります。今はSNSで無料で作品を閲覧できるため、多くの人が絵に価値を感じにくくなっているのかもしれません。とはいえ、無理に価値を見出してほしいとは思っていませんし、何に対価を払いたくなるかは人それぞれです。それでも、もし作品に価値を感じてもらえたなら「対価を払って作品を手に入れる」という選択肢が一瞬でも頭によぎってほしいというのが私の正直な気持ちです。
ー これからDC3を使ってイラスト販売をしようとしているクリエイターに向けてコメントをお願いします
「ご興味があれば、ぜひ一度試してみてほしい」ということを一番にお伝えしたいです。作品の制作やその価格を決めるのは難しい作業で、未だに私も悩むことでもあります。
でも「自分の絵を売ってみたい」「自分の絵を買ってくれる人がいるかを知りたい」と思っている方がいるなら、物は試しのつもりで挑戦してみていただきたいです。
「DC3」なら、AIクローリングへの対策もでき、日本円に対応もしているので、デジタル作品の販売に関する不安を減らすこともできます。
また、仮に絵が売れなくても落ち込まないでほしいです。私にもまだ売れていない絵はありますし、意外な絵が意外なタイミングでご購入いただけることもあります。
大切なのは、自分が描いた絵の価値を自分自身が感じておくことと、お客様への購入場所を用意しておくこと、そして、その場所への案内を欠かさないことだと私は思います。
「mitekore(ミテコレ)」について
「mitekore」とは、ブロックチェーン技術を活用した「DC3」というデジタルコンテンツがもたらす新しい体験により、即売会や個展といった感覚でクリエイターがファンへ作品を販売できるマーケットプレイスです。

サイトURL:https://www.mitekore.com/
公式X:https://x.com/mitekore_jp(@mitekore_jp)
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